卒業生の活躍する大学を訪ねて
10月18日(土)の朝から名古屋大学生命理学部のポスターセッションに招待されて行ってきました。
研究室ごとに、机一つに一つのポスターパネルが用意されていました。
ポスターには、写真・グラフ・図などを使って、各研究がわかりやすくまとめてあり、
そこで研究している院生がわかりやすく説明してくれました。
昔は、大学は象牙の塔とよばれ一般の人には、理解できない世界でしたが、
今は、そこで研究する人たちが、少しでも一般の方に知ってもらおうと研究を紹介しています。


午後からは、ノーベル賞受賞者を囲むフォーラム「21世紀の創造」20回記念 
科学フォーラム名古屋「地球環境問題―ノーベル賞科学者からのメッセージ」
"Problems of Global Environment ― Messages from Nobel Scientists"
に参加させて頂きました。
次のメッセージを多くのの若い人に伝えてほしいと託されましたので伝えます。

野依良治(理化学研究所理事長)先生は、Green Sustainable Chemistry(生態系に与える影響を考慮し、
持続成長可能な化学工業のあり方を提言する環境運動)や水資源の問題を話して頂き
「人類は過去に厳しい自然と対峙してきたが、未来の命運を握るのは
人間自身の価値観である」と締めくくられました。 

パウル・クルッツェン博士(化学賞、マックスプランク研究所名誉教授)は、
「オゾンホールは優れた研究で大きくなるのが止まった。さらに50年で回復する」
という科学技術が地球環境を守ることに成功した例を挙げてくれました。

江崎 玲於奈先生(物理学賞、横浜薬科大学長)は、ユーモアとウイットを上手
に使って会場の雰囲気を楽しく盛り上げながら次のような話しをされました。   
1.ノーベル賞を取れる環境
「知的自由」「知的交流」「公平な評価」の3つが必要である。アメリカに頭脳が
流出してしまう原因はそれがアメリカにあるからと指摘されました。
2.良い研究者になるためには、Taste(味)を持った研究者になることが必要。
そのためには、うまいTaste(味)を知る、わかりやすく言うとうまいものをたくさん食べることが必要である。
具体的には、良い研究者に出会って学ぶことである。
すばらしい演劇を見て、よい音楽を聴いて、すばらしい文化に触れることである。
3。ノーベル賞を取らせないための5箇条
「子供の好奇心を壊す」「しがらみで縛る」「○○先生のようになりなさいと言う(個性を無視して形にはめる)」
「子供の新鮮な発想を聞かない」「学問に縄張りを持つ(研究分野の壁を作る」
最後に、What should I do in my life. 「自分は、どのようなテイストを持って、どのように
自分を社会に活かせられるかを自分で考えなさい」と締めくくられました。